1つ 1つ。。

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夜、目を瞑り、翌日 目覚める瞬間を想像するだけで
嬉しくなる、そんな家。

窓から見える景色は、全て木々。
人家は、見当たらず、深い緑色をした木々のみが
目に入る。
アトリエに入居した当初は、冬、色彩が乏しかったが、
ピンと張り詰めた空気の中、湿り気のある土の匂いが
鼻空を突き、暖かい季節には、感じれないであろう自然の
香りがした。

アトリエは、平屋の4DK。(和室3室・洋間1室)
生前老父は、1つだけある洋間とダイニングのみ使用し、
他の部屋は、1人になってからは、使われていないようだった。
家の中に居ると、老夫婦が、慎ましく、自然と共存し、
生活していたのが想像出来る。 
奥様が、先に亡くなられ、1人となった老父、
この自然環境の中 家を1人で守るのは、決して容易な事では
無く、どんな事を思い、考え1人の時間を過ごしたのかと想いを
巡らす事が多い。
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使用されていなかった和室2室、二間続きで、庭に面していて、木の廊下に
L字に囲まれていて、美しい古民家の風情たっぷりで、とても気に入っている。
この二部屋は、使われていない事もあり、窓を長期間締め切られていたのもあり、
内覧時の部屋の様子は、凄かった。 と言うより、全ての部屋が、かなり荒れていた。
床が抜けている所があったり、剥がれている所、朽ちている所、家財道具も全て
置いたまま、勿論仏壇等もあって、かなりの衝撃を受けたが、これも何かの縁、
導きであり、少しづつ部屋を補修・片付けていくと、昔の家は、今と違い、
しっかり作られているからか、直ぐに蘇る。
乾き切った木の柱、建具には、油を沁みこませ、潤いを与えたり、米ぬかで
磨くと美しく黒光りする。 激しく破れていた障子紙を張り替えただけで
部屋の印象は、かなり変わった。
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畳を剥がし、抜けた床板を入れ替え補修。
昔の家はシンプルに出来ている分、補修も手を掛けさえすれば、業者で無くとも
出来て、一つ一つ補修をする度に、愛着も増していく。

夫の仕事場となる洋間の床は、所々剥がれていた。
不動産曰く、
「シートでも貼れば、その箇所が隠せるのでは?」
と言っていたが、それだと、この家の素晴らしさ、美しさを生かせない。
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夫は、床を全て剥がし、同じ大きさに切った、白木をひき詰めた。
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完成した仕事場は、以前の床板より強度も高く、何よりも綺麗だ。
夫曰く、材料費は、2万円しなかったとか。。。
こんな小額で床の大改造が出来るとは・・・・・
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私達の愛娘。 ヨシコ。
世田谷生まれ、世田谷育ち、普段は、家の周囲数十メートルの範囲を
テリトリーにしている、半野良・半飼い猫。
夏場の泊まりがある外出は、近所に居る友達に餌の番を頼むが、
冬は、野宿は厳しい。 半野良とは言え、ほぼ飼い猫となった今
外に放置して外出は出来ないので、世田谷の家とアトリエの
移動時には、移動用ゲージに入れ、アトリエへも同行している。

かなりの暴れっぷり。
それは、高速道路に乗ると輪を掛けた様にエンジンが掛かる。
泣き続け、毛布を噛みちぎる。 何もそこまでしなくとも・・・・
と思う位に、、そしてストレスがマックスになると、たまに
死んだ振りをする、そんな猫。

しかし、そんな苦労を重ねても、車の移動になれる事は無く、
人間である私達が毎度毎度泣き声に悩まされる。
その上、人につく=犬 家につく=猫 と言う通り、
見知らぬ家に連れてこられたヨシコが、アトリエに
馴染むかもイチバチであった。 当初は、屋根裏に
登ったり、小屋の中に入り込んだりと、人の手が届かぬ所に
行っていたが、今はアトリエの環境にも慣れ、林を駆け抜け
走って帰ってくる姿は、野生を取り戻したかの様。

こうやって人も猫も東京とアトリエを往復しながら、新しい
生活を楽しんでいます。
「いつかは、田舎暮らし」
と夫婦で夢見ていた生活が、思いがけず手に入れ、こんな早く
現実になるとは思わなかった。

自然は、美しく、人を豊かにします。
見上げる空は、電線が1つもない。
何が、豊かで、何が快適で、何が美しいのか、
気づく人と気づかない人が居て、
そこに交わりは無いのかもしれない。
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by maiko_oh | 2013-04-03 23:52 | 山のアトリエ
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